鮨ネタのご紹介|甘海老

甘海老 +本山葵

兵庫県の日本海側に面する香住漁港で獲れた大ぶりの甘エビです。波が荒く養分に恵まれた海底で育まれた甘エビは甘〜く身がプリッとしています。シンプルに山葵醤油が合います。
塩とオリーブオイルで香ばしく焼きあげた頭は角まで柔らか。ミソの旨みまで余すところなくご賞味ください。

甘海老について

本名は\ホッコクアカエビ/

プリップリのあま〜い甘エビ、お好きな方多いですよね。実は、甘エビというのはニックネームのようなもので、正式和名は「ホッコクアカエビ」といいます。昔から日本人に親しまれてきたと思いきや、全国的に人気者になったのは流通が発達した1970年代以降です。

アタクシ、訳あって数年前まではオスでしたの♪

甘エビの人生は実に波乱万丈。孵化するとしばらくはプランクトンとしてゆ〜らゆ〜らと浮遊生活を送り、その後、4〜5年かけてオスとして成長するという。同級生は皆オス、今では少なくなった男子校状態です。ところが、オスとして成熟し交尾を済ませると全員がメスに性転換する。今度は同級生が全員メスの女子校状態。ここまでの間、6回ほど脱皮を繰り返し、体が大きくなってきますから、当然、オスよりもメスの方が大きいということになります。市場で見るジャンボサイズの甘エビは、すべて甘エビちゃん、メスなのです。

甘エビのメスは最大で6000個近くの卵を約10ヶ月も抱きます。大仕事です。10ヶ月という長い期間卵を抱くので、産卵は2年に1回というペースになります。寿命はおよそ11年といわれておりますからメスの期間は約6年、その間、少なくとも3回は産卵するそう。甘エビが卵を産めるようになるまでには5年もかかりその後産卵を繰り返すと思うと、やはり大仕事だなあ、と思うわけです。プランクトンから始まって、オスの仕事をした後、メスの仕事もやりきるとは、なんと忙しく濃厚な人生なのでしょう。自分の人生を振り返りますとまだまだ精進が足らん!と反省させられます。甘海老が生きている時から赤いのは、大仕事に臨む闘志を燃やしているからでしょうか。

甘さが旨さ

甘エビはなんといっても「生」!中でも性転換する前の小ぶりのオスがうまいという説も。でも、大きいメスも捨てがたい。
みずみずしい身には粘液質のアミノ酸がたっぷり。これが強い甘味を長〜く感じる理由です。

基本的に年間を通して美味しく食べられるので、「いつ」食べるか、よりも「獲り方」や「流通時の保管状態」が味のポイント。エビカゴまたは底引き網で獲るそうですが、カゴ漁のものは船の生簀で生かし、出荷直前に箱詰めされるので鮮度がよく美味。輸入物も美味しくなってきており甘味はありますが、国産のものは甘味に加えて、軽く歯応えのあるような食感があります。寿司ネタとしても定番ですので、選べる時には、甘味と食感を味わえる国産をチョイスしてみてください。歯応え、甘味、喉越し…大満足することでしょう!