鮨ネタのご紹介|赤貝

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赤貝 +酢醤油、葉山葵

3年以上かけてようやく市場に出回るサイズに育つ赤貝は、言わずと知れた高級食材。アミノ酸を豊富に含むため甘味が強く、新鮮なものほど独特の香りを感じます。
この特長的な味と香りに合わせて甘い酢醤油と葉山葵をご用意致しました。肉厚でギュッと締まった身は、コリッコリッと舌の上で踊ります。

赤貝について

茶色い毛に覆われている二枚貝。殻には筋が42本ほど放射状に伸びている。どちらかというと地味な外観であるが、パカッと中を開くとパッと鮮やかな赤い色が目に飛び込んでくる。赤いから「赤貝」。なんと単純な名前でしょう。この赤さの正体は「ヘモグロビン」。人間の血液にも含まれているアレです。赤貝はアミノ酸を多く含むため旨味たっぷりの上、ビタミン、鉄分、カルシウムなどの栄養素も豊富ですから、食べない理由が見つかりません。

しかし!気軽には手を出しにくい高級品。棲息域は広く北海道から九州の内湾の泥の多い砂地に住んでいるものの漁獲量は激減しているからです。市場に出回っているものの9割は輸入物で、国産はわずか1割。中でも宮城県閖上(ゆりあげ)産が最高級品とされ、お値段も超一流。希少価値も加わって仕入値で1個500円以上もします。

でも、ご安心ください。輸送手段の発達により、手の届く価格の輸入品でも質の良いものが増えてきました。よ〜く探せば、かなり美味しいものを仕入れることができます。

赤貝は江戸前寿司には欠かせないネタ。お寿司屋さんでまな板にパチンと叩きつけられるのを見たことがある方も多いと思いますが、あれは、そうすると赤貝がキュッと身が引き締まり、食感のコリコリ度が増すといわれているからです。でもその効果は限定的。時間が経つとまた緩んでしまいます。だから、食べる直前にパチンとするわけです。でも、本当に質の良いものはパチンと叩きつけなくてもコリコリしています。ご家庭でお使いになるお魚をお届けする魚屋としては、そのままでコリコリ美味しい赤貝を厳選仕入れしたいもの、と常々思っております。

赤貝の寿命は10年程度。市場に出回っている10〜12センチに育つまでには3年以上かかります。どのお魚をいただく時にも言えることですが、命をいただいていることを意識して、深く味わいたいものです。

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